カラオケでうまく歌うためにはキーを変える必要
最近は男性ボーカリストの曲でも高い音を多用します。よって、そのような曲を歌をカラオケで歌おうとすると、高い声が出ない、もしくは、無理に出そうとして声がひっくり返る、などでうまく歌えないことがあります。曲と声の音域の関係は次の4つのパターンがあります
1.声の音域が曲の音域を包含している→歌える
2.曲の音域が声の音域を包含している→歌えない
3.声の音域が曲の音域に対して右にずれている→キーをあげれば歌える
4.声の音域が曲の音域に対して左にずれている→キーをさげれば歌える
1は何もしなくても歌えるので問題ありません。2は逆に何をしても歌えないのでとりあえずは歌うことを諦める必要があります。3と4の場合はキーを上げ・下げすることで歌えるようになります。以降は3,4の場合について説明します。
音域とは
曲には音の高さがあります。その曲で用いられている最低の高さの音から最高の高さの音までを曲の音域と言います。音域として2つの曲を例に挙げます。音域で用いているアルファベットは音名を表しています。日本ではド、レ、ミ・・・が使われますがここでは標準の国際音名を用いています。また音にはMIDI番号も割り当てられています。MIDI番号が大きくなればなるほど音の高さが高くなります。MIDI番号の1つの差を1半音とここでは呼びます。例えばMIDI番号25とMIDI番号33の音は8半音離れている、等の使い方をします。なお、音名、MIDI番号については詳しく知らなくても問題ないです。ただ、音の高さを表すのに音名と番号を使う方が分かりやすいためここでは使用しています。音名、MIDI番号について詳細を知りたい方はこちらを参照下さい。
- 宇多田ヒカル「FirstLove」 音域 :E3(MIDI 52)〜F5(MIDI 77) 音域の広さ:77-52=25半音
- SMAP「世界に一つだけの花 音域: E3(MIDI 52)~F#4(MIDI 66) 音域の広さ:66-52=14半音
上記例のように曲によって音域の広さはかなり異なり、音域が広ければ広いほど歌うのが難しくなります。
ここで声の音域が曲の音域よりも広ければ歌うことができます。声の音域が曲の音域よりも狭ければ歌うことができません。例として、声の音域が以下だとしましょう。
- 音域 :G3(MIDI 55)〜C5(MIDI 72) 音域の広さ:17半音
この場合、音域の広さを比較すると、世界に一つだけの花<声の音域<FirstLoveなので、世界に一つだけの花は歌えますが、FirtsLoveは歌えないことがわかります。
声の音域を測定する方法
声の音域を測定するのは昔は簡単にはできませんでしたが、今では無料アプリあなたの音域測定しますなどで簡単に測定できます。他にも弊社開発のロジカル・シンギングー音痴にさよならーでも音域を測定できます。自身の声の音域を測定することは少し面倒くさいかもしれませんが、声の音域が分からないままではその曲がそもそも歌えるのか・歌えないのか、キーをどれだけ上げ・下げすれば歌えるようになるのか、を判断できません。
音痴だと悩む方は、自身の声の音域がわからず、音域的に歌えない曲を選んでしまっているだけ、ということも良くありますので、音痴の克服を目指したり、カラオケを上手く歌いこなしたい場合は必ず音域測定をして下さい。
曲の音域を調べる方法
声の音域は自分で測定できますが、曲の音域は調べる必要があります。当ブログサイトでもこちらでカラオケおすすめの曲の音域を示しています。ただし、このページはこれから拡充していく段階なので現状は曲数は少ないです。それ以外に音域を調べる方法でおすすめなのは、こちらの音域.comがです。このサイトにも出ていない曲の場合は他サイトで調べるか自分でその曲の楽譜を見つけて音域を調べる必要があります。もしどうしても音域が分からない曲がある場合は、とりあえずはその曲は諦めて、まずは音域が分かる曲に対してキー変更して上手く歌えることを目指して下さい。
曲・声の音域が分からない場合
上記で声の音域測定と曲の音域調査が必須と記載しましたが、声の音域が測定できなかったり、曲の音域を調べられなかったりすることも多いと思います。その場合は試行錯誤になってしまいますが、キーを調整する方法は別にあります。こちらの記事に記載しましたので、曲・声の音域が分からない場合はこの記事をもとにキーを調整して下さい。
キーを最適に変更する方法
キー変更とは
キー変更とはカラオケで曲の音の高さ(キー)を変更することを言います。
- キー1個は1半音を意味します。キーは−6から+6まで12段階で変更できます。+7以上、ー7以下は変更できません。
- キーを+7以上変更する場合には、そのままでは変更できませんので、その値に対して−12します。−12するのは音はキー12個で一周するからです(ドの次のドは12半音高いドさらに次のドは24半音高いド・・・)よって、−12することで1オクターブ低くはなりますが同じ音になります。
(例1)キーを8上げる場合は、8−12=−4上げる。つまり4つ下げることになります。
(例2)キーを9上げる場合は、9−12=−3上げる。つまり3つ下げることになります。
キーを変更する
以降、便宜的に次の省略形を使用します。曲の最低音→曲低 曲の最高音→曲高 声の最低音→声低 声の最高音→声高。
前述したように曲と声の音域がずれているパターンは2つあり、その場合はパターン毎に以下の手順でキーを変更します。
(パターン1)声の音域が曲の音域に対して右にずれている(曲低<声低、かつ、曲高<声高)
(パターン2)声の音域が曲の音域に対して左にずれている(声低<曲低、かつ、声高<曲高)
(パターン1)の場合のキー変更手順
この場合は声低が曲低よりも高いため、このままでは曲低の声を出すことができません。よって、キーを上げる必要があります。
- (声低ー曲低)÷12でそのあまりを求める。
- 求めたあまりが上げるべきキーとなる
- 上記で歌えるようになるが、人間の声は一般的に高い音の方が出しやすく響きやすい。よって、曲高<声高をみたすのであればよりキーをあげても良い。これは実際に歌ってみて微調整する。
- (例1)声低ー曲低=6なら6÷12のあまりは6。よって、6つキーを上げる。
- (例2)声低ー曲低=14なら14÷12のあまりは2。よって、2つキーを上げる。
- (例3)声低ー曲低=12なら12÷12のあまりは0。よって、キーを上げなくて良い。
(パターン2)の場合のキー変更手順
この場合は曲高が声高よりも高いため、このままでは曲高の声を出すことができません。よって、キーを下げる必要があります。
- (曲高ー声高)÷12でそのあまりを求める。
- 求めたあまりが下げるべきキーとなる
- 上記で歌えるようになるが、高い声がぎりぎりで出せる声で苦しい場合、声低<曲低をみたすのであればよりキーを下げても良い。これは実際に歌ってみて微調整する。
- (例1)曲高ー声高=3なら3÷12のあまりは3。よって、3つキーを下げる。
- (例2)曲高ー声高=13なら13÷12のあまりは1。よって、1つキーを下げる。
- (例3)声低ー曲低=12なら12÷12のあまりは0。よって、キーを下げなくて良い。
まとめ
いかがでしたでしょうか?キーの変更は少し音楽的な知識が必要となるのでなかなか理解できなかったかもしれませんが、実際にカラオケで実践してみるとすぐに分かるようになるはずです。是非この方法にトライしてみて下さい。